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「サラおばさんを、発見しました!」マスターズ取材のため、オーガスタ入りしたゴルフダイジェスト社のY君から、そんなメールが入った。 サラおばさんというのは「千里の道も」に登場する、家族思いの黒人女性のこと。 実は、去年、私は幸運にも現地取材することができた。 そのとき、試合会場であるオーガスタナショナルと、通り一本隔てた反対側で、ドリンクを売っている黒人女性と知り合った。 年の頃は、40前後。 名前は…サラ…じゃないかもしれない。 陽気な笑顔で、道行く人々や渋滞中の車中の人々に、ミネラルウォーターを売っている。 それは、貧しい家計の一助になるのだろうと、早合点していたのだが、彼女に聞いてみると「売り上げは全部教会に寄付するんだよ」と、誇らしげに胸を張る。 そんな出会いを元に、私は帰国後「千里の道も」に、彼女をモデルにしたサラという黒人女性を登場させた。 「千里」の中では、彼女の夫は酒場でケンカに巻き込まれて射殺され、息子はイラク戦争で片足を失い、娘は家出したきり帰ってこない。 それでも家族への愛を失わず、神を信じ、マスターズウィークにドリンクを売り、その売り上げのすべてを教会に捧げようとしている…そんなサラを、登場させたのである。 で、Y君は、現地で、サラのモデルとなった黒人女性に遭遇したそうだ。 彼女は、去年と同じ場所で、同じようにドリンクを売り、その売り上げのすべてを、協会に寄付しようと張り切っているのだろう。 私はちょっと切ない気持ちになりながらも、ジンワリと嬉しさを噛みしめた。 マスターズは初日を終えて、タイガーがちょっと出遅れてイーブンパー。このあと3日間、どんな戦いが展開するのだろう…。 どんな戦いが繰り広げられようと、サラおばさんは、きっと今年も髪に花飾りをつけ、大きな声で、ミネラルウォーターを売ってることだろう。 |
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